漫才の神様
みなさんは、砂川捨丸という漫才師をご存知でしょうか。
明治から大正、そして昭和の46年まで活躍をした漫才師です。と言っても、万歳から漫才への生き証人と言われた人で、どの「マンザイ」の字を当てはめればよいか、悩むところであります。
漫才師の数は数多あれど、この人ほど僕の心を捉えて止まない漫才師は他におりません。
なぜこんなにも古い漫才が心を捉えてやまないのでしょう。
「漫才は万人の物まね」と本人も言っていますが、この人の持ちネタは1000を越えていたそうで、お腹を抱えて爆笑するようなもの、唄をしっかり聴かせるもの、練りに練った唸らせるようなネタなど、芸の懐の広さのようなものが感じられます。
晩年捨丸は、同じネタばかりをやっていたと聞きます。
それでも捨丸は人々に愛され続けました。
それは、彼のネタが、観客の心に笑い以外のものももたらしていたからだと思います。
そのネタの面白さ、間の取り方、喋り方、
それらからにじみ出る、芸に生きた人生。
それが人々の心を温かくするのかも知れません。だから僕は、笑いと同時に、
そんな気持ちも人々に伝える事ができる捨丸が大好きです。
ここでは漫才の神様、砂川捨丸について詳しく紹介します。
上記内容は、吉田留三郎著「まんざい風雲録」を元にしています。
捨丸列伝のこぼれ話です