万歳からのぞきからくりまで 狂言師が実演する放浪芸

2006 4/29 あるあるネタ

以前にも少し書いたと思いますが、あるあるネタについて。

やはり最近は「あるあるネタ」のオンパレードで、
ネタ切れの感が否めないですね。
個人的な感覚としては、昔話ネタとか童謡ネタとかはもううんざりです。

あるあるネタの本質は、
自分たちの生活に根付いた、誰でも一度は経験のある、
あるいは経験していなくともよくわかる、というネタです。
確かに昔話や童謡は誰にでも経験のあるものですが、
それ自体にツッこんで笑いに転化させるには、
対象がぼけてしまいます。
身近なんだけど身近じゃないんですね。
何せ童謡や昔話を楽しんだのは、
客にとっては少なくとも十年以上昔なわけですから。
特にこれだけあるあるネタが飽和状態になると、その感は強まります。

それならばやはりもっと身近な、
現在進行形で共感できる様なネタをすべたきだという事になりますが、
それはとても難しいわけです。
しかし、それをやってのけ、
しかもかなり長い期間に渡って活躍しているコンビがいます。
「いつもここから」です。
おそらく、世間に初めて認知されたのは、
サンガリアのコーヒーのCMではないかと記憶しています。
「がぶ飲みしたい時~」というやつです。
あれは2人の持ちネタの「悲しい時~」のパロディです。
あのCMから考えると、10年近く活躍している気がします。
これはあるあるネタをメインの芸としている芸人では、
かなり長いです。

ではなぜそんなに長く活躍できるのか。
まずは一番大きな理由は、コンビだという事。
単純に考えてもネタは2倍です(実際に2人ともがネタを考えているのかは知りませんが)。

次に、切り口の多彩さ。
例えば、紙芝居の様に次々と「悲しい時」をめくっていくパターンもあれば、
暴走族に扮して色々な事にツッコミを入れる事もあり、
また親子に扮して観察記風に「かわいいねぇ」とツッコミを入れたりと、
あるあるネタの切り口をいくつも持っている事。

そして最後に、
ネタに対する真摯さ。
少なくとも僕が知る限り、
彼らが昔話や童謡をお題にしたネタをしているのを見た事がありません。
という事は、あったとしてもすごく少ないのでしょう。
数年前、2人の紙芝居ネタが何枚あるのかというのをテレビでやってましたが、
その時既に1,000枚近くあったと記憶しています。
もちろん今はもっと増えているでしょう。
それだけ真剣にネタを探し続けているのですね。
しかも、それだけネタがあれば、
おそらくネタをまわしても客は気付かないでしょう。
ここが彼等の一番の強みだと思います。
長生きするのが難しいあるある界ですが、
ここまで特化して続ければ、必ず成功するという見本ですね。

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