万歳からのぞきからくりまで 狂言師が実演する放浪芸

第二回万歳サミット


2012_01_28第二回万歳サミットに行って参りました。

鈴鹿市で催され、15年ぶり、第二回目だそうです。
(残念ながら僕は第一回目は行っておりません)


大阪からだと、約3時間!思いの外の長旅でした。
せっかく鈴鹿まで行くのだからと、おいしい店を探してみました。
そこで見つけたのが、某食べログで評判だったこの「やまだ」という鰻屋さん。
う~ん、日頃京都の楽屋で食べている、仕出しの鰻の方が僕は好みですねぇ(´Д`; )
こちらのお店は割としっかりとした焼き加減でした♪

で、早速開場前に尾張万歳の楽屋を訪ね、
北川さんらとお話しをさせていただきました。
久しぶりにお会いしましたが、皆様お元気そうで何よりでした。

まず最初は伊予万歳。
尾張万歳の皆様と、楽屋から拝見。
やっぱりこれは、他の万歳と全く毛色が違いますね。
聞くところによると、道後温泉の温泉宿で頻繁に演じられているそうです。
原型がどんな物だったのかはわかりませんが、
確かにこれはこれとして完成している感があるのは、
そういう理由だったのですね。納得。

続きましては、客席に移動して越前万歳を拝見。

心地よい響きです。

この装束のインパクトはいつ見ても強烈です。

そしてお次は、われらが尾張万歳。

安定の舞台運びです。

前半のトリは瞽女(ごぜ)万歳

瞽女の演目の中にも万歳があるのですね。初めて聞きました。
ちなみに演者は、最後の瞽女小林ハルさんのお弟子さんの竹下玲子さんです。

そして休憩明け、小沢昭一さんのお話

書こうか書くまいか悩みましたが、あえて書きたいと思います。
率直な感想として、小沢さん随分お年を召されたな、と思いました。
おそらく今後講演をなさる事はないのではないかと。

しかし一言だけ、強烈に胸に刺さった言葉がありました。
それは、「放浪芸はもうなくなったんです」という内容の発言です。
ほとんど、サミットが開かれる事に対しての祝辞に終始していたお話しの中で、
サラっと仰った一言を、僕は聞き逃しませんでした。

小沢さんは放浪芸探訪に関するその著書の中で、
消えかかった灯であるとか、それに類するような事をしきりに書いていらっしゃいました。
しかしそういった映像や音声も、もはや十余年以上昔の物。
生きた芸能としての放浪芸は、ほぼ途絶えたと言っても過言ではないのかも知れません。

消えかかった放浪芸を記録として残す事は小沢さんがしてくださいました。
それならば、それを受けて次の世代の我々は、
(ほぼ)途絶えた放浪芸に対してどう向き合っていくのか。
それを真剣に考える局面に立たされているのだと、再認識させられました。

その1つ答えの方向性はおぼろげながら見えてはいるものの、
いかんせんまだまだ実践不足。
これを今年の課題としたいと思います。

その後は安芸の三河万歳(才蔵がなかなかのイケメンです)、加賀万歳、伊勢万歳と続きました。
尾張・加賀・三河は同じ楽屋だったので、
加賀万歳の太夫の方ともお話しをさせていただきましたが、
加賀万歳もかなり精力的に活動をしておられるようです。
今回も新作の万歳を演じていらっしゃいました。

非常に盛りだくさんな内容で、4時間近くに及ぶ一大イベントでした。
そうそう、帰りに寄った鈴鹿駅のすぐ近くのお店の、
「どら焼き」という名の回転焼き(大判焼き)が非常においしかった事を付け加えておきます(´∀`)

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