万歳からのぞきからくりまで 狂言師が実演する放浪芸

捨丸の鼓

日本人なら、「鼓」という言葉でおおよそのイメージは湧くのではないでしょうか。
バラエティ番組などでも若手芸人が鼓を打つマネをするのをしばしば見かけます。
でも実は…と言うか当然あのマネは間違っているんです。

そもそも鼓って2種類あるんですよ。
小鼓(こづつみじゃないですよ!)と大鼓(おおかわ)です。
多分知名度が高いのは小鼓の方ですよね。
あの肩に乗せて打つやつです。
さっき若手芸人のマネが間違ってるって言いましたけど、1番の間違いは肩の左右です。
少し想像してみるとわかると思うんですけど、
普通右利きの人は右手で楽器を扱いますよね。
つまり小鼓であれば右手で打つという事になります。
という事は必然的に本体は左手に持つ事になります。
さて、どちらの肩に乗せる方がやりやすいですか?
右肩ですよね。
でもテレビを見てると大体の芸人逆勝手でやってます。
1回気になりだすと、気になって気になって…(笑)
それに対して、大鼓は腰掛けて腰の辺りに持って打ちます。

僕が何で正しい小鼓の持ち方を知ってるかって言うと、
高校の時ちょっとだけ習ってたからです。
もちろんうちは貧乏な家庭ですから、習い事じゃなくて学校の授業ですけど(笑)
でも小鼓はムズかしいです。
まず「手」が覚えられない。
「手」っていうのは決められた打ち方の順番みたいなもんです。
結局全然覚えられずに終わっちゃいました。
楽器って結構相性とかも大事だと思うんですよねー。

ちなみに雛人形の5人囃子っていうのは能から来てるんですよ。
内訳は、太鼓、大鼓、小鼓、笛、地謡です。
家に雛人形のある方は是非1度見てみてくださいね。

で、今回は捨丸の鼓なんで、小鼓です。

捨丸と言えば、鼓、ヒゲ、紋付です。
昔万歳は太夫と才蔵という2人組みで、家々を廻って門付けをしていました。
捨丸の鼓はまさにその万歳から漫才への歴史を物語っているんですね。
捨丸は最後まで舞台で鼓を持ち続けました。

普通のしゃべりの合間に打たれる事もあれば、数え唄で打つ事もあり、
ラジオでダイラケにインタビューされた時に突然打ったり(笑)と、
使い方も様々でした。

そしてその鼓は今、
大阪にある上方演芸資料館(ワッハ上方)に主役として展示されています。
なぜ主役かと言うと、ワッハ上方が作られたきっかけがこの鼓だからです。
これについてはワッハ上方の回に詳しく書きました。
僕はワッハに行くと、
必ず捨丸の鼓をじっと見つめて、捨丸について、演芸について思いを馳せるのです。

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