なんのこっちゃ!?
さて、パッと思いつく限りのマンザイの漢字を書いてみました。表記は違いますが、全て「マンザイ」と読みます。
このサイトで扱うマンザイは、「万歳」がメインです。
つまり昔の門付け芸の万歳ですね。
門付け芸といっても、現在残っているのは獅子舞くらいでしょうか。
昔は獅子舞以外にも、万歳や瞽女(ごぜ…盲目の三味線弾き)、琵琶法師など諸々がありました。
その中でも万歳は、1年の多幸を予祝(※)、あるいは新年を祝う予祝芸・祝福芸で、家々を廻っておめでたい文句を言い、それでお金やお米(米銭)をもらうわけです。新年を祝うという事は、それ以外の時期は万歳師は別の仕事をしており、その仕事というのは農業、つまり百姓であったわけです。秋に収穫をして春に苗を植える、百姓にとって正月の万歳はまさにピッタリの副業であったと言えます。
※予祝—予め祝うという意味で、昔は物事がうまくいく事を祈念して、事前に祝うという習慣がありました。例えば農作物にしても、収穫後だけでなく、作付けの段階で祭りなどで予祝をしていたようです。
萬歳から漫才への変遷は、非常に長くなるので別のページにまとめました。
現在のプロの万歳師は日本に一組だけです。この2人がいなくなると、プロの万歳師は文字通り絶滅します。
しかし、保存会という形では全国各地に万歳が残っています。
保存会というのは、文字通りその芸能を保存して伝えていく集団。
プロはその芸によってお金をもらう事を生業とする人。
保存会の芸とプロの芸を比べる事に意味はありませんが、根本が違えば、結果としてその芸も違います。
今後プロの万歳師がいなくなる事が間違いない状況である以上、保存会の役割は非常に大きいと言えるでしょう。